1. ホーム
  2. 書評
  3. サイフの穴をふさぐには?学校も会社も教えてくれない税とお金と社会の真実

オロゴン(著) 出版社:KADOKAWA

『サイフの穴をふさぐ』この言い回しは、お金と社会のルールを理解し、マネーリテラシーを向上させることである。この本は、税金・源泉徴収など固いイメージに相反して、入社4年目の会社員(三崎)と豚型貯金箱(通称フゴー)による掛け合いでストーリーが進んでいく、非常に読みやすくて理解しやすい内容だ。

何となく給料から税金が引かれている・年末になるとなぜかお金が返ってくる・ふるさと納税ってなぜするの?この辺りをうやむやにしたまま私は現在27歳となっていた。社会人になったあたりでは、いつかわかる時がくるだろうと特に焦りもせず、のうのうと過ごしてきた。だが、あと数年で30代に突入である。この本のターゲットは、社会人となって給料明細を貰った方・入社前の大学生・私のような何となくで理解していた方に、ベストヒットする内容だ。

本書を読み進めることで、自分の知識不足を痛感させられることはある。しかし、同時に社会のルールや常識を理解し、攻略の一口を掴む感覚も得られる。これはRPGにおける初期アバターが、木の盾や棍棒をどんどんと装備していき、ダンジョンを進めるイメージだ。

主人公の三崎とフゴーが段々と打ち解け合うストーリーも秀逸である。三崎の周りで起こるイベントや問題をこのコンビで解消していくなか、講義と称して居酒屋に行くシーンから終盤にかけてはグッとくるものがある。

”お金がお金を生む状態” “会社に労働力を売る以外でお金を稼ぐ方法を身につける” これは筆者の影の主張とも言える本文中の引用である。お金のルールを把握し、無駄な浪費を防ぐことは前提条件であり、溜まったお金をタンス預金とするか、銀行預金とするか、別の何か(経験への投資・投資信託等)に振り分けるかを各個人が判断していく必要がある。

本書の筆者は元銀行員であるが、当時は自分のお金には無頓着であり「気づいたらお金が減っている」と新社会人から数年目には思い当たる節があるだろう状況だった。しかし、会社を新設した経験から、以前は意識していなかった税金の仕組みを知ることとなり、社会人の間での情報格差を感じたようである。お金という身近な存在でありながら、社会人になってからは役に立つ情報は教えてもらう機会は少ないのではないか。

何と無くわかったつもりが危険だと良く言われる。本書は応用編というよりは、基礎の基礎をまずは知ってもらう意図があり、今一度、自分の年収や出費・貯金具合を鑑みて、次のダンジョンに進まれたい方は、読まれてみては如何だろうか。

サイフの穴をふさぐには? 学校も会社も教えてくれない税とお金と社会の真実【電子書籍】[ オロゴン ]

価格:1,375円
(2020/5/5 16:53時点)